麻の実ピッツァ紹介 ~ソース編~

前回の 生地編 に続きまして、麻の実ピッツァ ソース編 です。各ソースを改めて紹介させていただきます。


<麻の実ピッツァ 主要ソース>

A.トマトソース
B.ジェノベソース
C.伊勢味噌ソース
D.スパイスカレーソース


A.トマトソース

ピッツァといえば「トマトソース」。麻福では、日本人に好まれる旨味のあるトマトソースを目指しています。

材料は、トマト、玉ねぎ、にんにく、塩、オリーブオイル です。

a.トマト(イタリア産)

南イタリア・プーリア州産のトマト(タヴォリエーレ)を用いています。果肉がしっかりとして、甘味と酸味のバランスが抜群です。フレッシュ感があり、トマトジュースの凝縮された旨味も抜群です。ダブルコーティングの缶にしっかり保管されています。

国産食材を積極的に使いたい当店ではありますが、この長細い調理用トマト品種「サン・マルツァーノ」だけは仕方ない感じです。同じ品種でも、ブランドによって大きく味が変わる繊細な食材です。ソースの味や品質を安定させるためにも供給体制がしっかりしているものを選ぶ必要がありました。

b.セミドライ・ミニトマト(国産)

セミドライのミニトマト(国産。地域はその時期による。)を用いています。ミニトマトを乾燥させることで、その甘さを凝縮させるだけでなく「グアニル酸」という新しい旨味成分が生じます。トマトが元々有する「グルタミン酸」と、乾燥させることで生じる「グアニル酸」による旨味の相乗効果が発揮されて、より美味しいソースになります。

セミドライは自家製です。ミニトマトを4つにカットして、フードドライヤーで3時間程度乾燥させたあと、急速冷凍をかけてストックします。ミニトマトもサイズやその収穫時期によって瑞々しさ(水分率)が変わります。解凍して焼き上げたときにトマトのフレッシュ感・ジューシー感が残るよう、完全に乾燥させないよう、そのトマトに合ったタイミングで引き上げることを意識しています。

これをa.イタリアン・トマトと混ぜ合わせてミックスさせて使うことで、より豊かな味になります。

「自家製セミドライトマト」

c.玉ねぎ(兵庫県産)

玉ねぎは、淡路島産。甘い柔らかい辛みの少ない玉ねぎとして有名です。その玉ねぎを、重量の50%まで水分をとばし、飴色状態にしたものからソースを作ります。

玉ねぎを飴色にすることで、甘味が増し、コクと旨味がアップし、香ばしさがプラスすることはご存じのとおりです。どっしりとしたトマトソースの礎となります。

d.にんにく(青森県産)

トマトソースに深みと複雑さをもたらすニンニク。やはり欠かせません。

e.塩(三重県産)

深い味わいと豊かな風味のある真珠塩(三重県南伊勢町産)を用いています。詳細は、こちらのページをご覧ください。


上記材料で15分程度煮込んでトマトソースをつくります。

ところで、ナポリピッツァの伝統的なトマトソースは「トマト缶」とその1%の「塩」と決められています。それを混ぜ合わせたらピッツァのトマトソースになります。シンプルさやトマトの素材の味を感じれて充分に美味しいのですが、全粒粉、そして、麻の実入りのどっしりとしたピッツァ生地には、やはりしっかりとした旨味のあるものが必要と研究してきました。

また、冷凍しての提供を前提としている以上、解凍して食べたときに美味しい状態にもっていかないといけません。そうしたときには、トマトの水気が多い状態だとベチョベチョな焼き上がりになってしまいます(解凍時に余剰な水分が放出してしまうのです)。

飲食店で提供するように、焼きたてを直ぐに食べることができる環境ならいいのですが、冷凍提供だと少し煮込んだ方が安定的に美味しいです。

「トマトソースをたっぷり使うマリナーラ。さらに、セミドライトマトをトッピングしてフレッシュ感をアップさせてます。」

B.ジェノベソース

バジルは、熊本県のバジル農家より直接仕入れております。ハウス栽培で温度などの栽培管理を徹底。微生物、菌をつかって病気予防と生育管理をしている農家さんになります。

香り豊かなフレッシュバジルは摘んだ当日にクール便で発送、翌日受け取り次第、直ぐにソースをつくります。

つくったバジルソースはマイナス35度で急速冷凍。酸化すると色も味も損なわれてしまいます。極力酸化しないよう留意して、おつくりしています。

ソース材料は、バジル、パルメザンチーズ、くるみ、有機オリーブ油、塩です。

a.バジル(熊本県産)

(前述のとおり)

b.パルメザンチーズ(北海道産)

北海道の良質な生乳から生まれたパルメザンチーズ(硬質の長期熟成チーズ)を、そのまま削って袋詰めしたパウダーチーズです。

c.くるみ(アメリカ産)

ジェノベーゼには「松の実」を用いることが多いですが、当店では「くるみ」をペーストにしています。くるみの濃厚な味わいは、コクが加わり、どっしりしたソースになります。

健康美容食材「松の実」は、粒のままピザのトッピングとして使っています。その方が、松の実の味と美味しさが直に感じられると思いました。味のアクセントにもなって、食べていく楽しさがあると思いました。

d.有機オリーブ油(スペイン産)

フレッシュなオーガニック・エキストラバージン・オリーブオイル。詳しくは こちらのページ をご覧ください。

e.塩

深い味わいと豊かな風味のある真珠塩(三重県南伊勢町産)を用いています。詳細は、こちらのページをご覧ください。

C.伊勢味噌ソース

伊勢(伊勢国)の食材の旨味を詰め込んだ味噌ソースです。

材料としては、合わせ味噌、かつおぶし、干ししいたけ、麻の実、胡麻油 になります。

a.合わせ味噌(三重県伊勢市産)

二軒茶屋餅角屋本店のお味噌を用いています。同社は、100年以上にわたり、伝統的な麹蓋を使っての製麹、および、木桶を用いての味噌づくりを現代も続けています。伊勢志摩を代表する地ビール「伊勢角屋麦酒」の製造メーカーでもあります。(とても美味しい麦酒です。機会ありましたら、ぜひご賞味ください。)

b.かつおぶし(三重県南伊勢町産)/干ししいたけ(三重県多気郡産)

味噌には、かつおぶし粉と干ししいたけ を混ぜます。前者は「イノシン酸」、後者は「グアニル酸」の旨味成分が豊富に含まれています。味噌、そして、後述する麻の実には「グルタミン酸」と「アスパラギン酸」の旨味成分が豊富に含まれています。4種類の旨味成分を有することで、より爆発的な旨味になります。

海の幸と山の幸が豊富な伊勢志摩の名産食材を味を支えます。

c.麻の実(国産)

伊勢味噌ソースには、麻の実パウダーを入れています。ソースの香ばしさやコクを深めるだけでなく、前述したとおり、旨味成分である「グルタミン酸」と「アスパラギン酸」を豊富に深んでいます。

希少な国産麻の実になります。詳細は こちらのページ をご覧ください。

d.胡麻油

a~cの材料は、濃厚な胡麻油に浸して数日冷蔵庫で熟成させ、それぞれの旨味を引き出して一体化させます。石窯の遠赤外線で熱された味噌ソースは香ばしく、食材と生地との一体感が最高です。ぜひご賞味ください。

なお、胡麻油には、三重県の老舗ごま油メーカー九鬼の圧搾ごま油「こいくち」を用いています。

D.スパイスカレーソース

辛いけど、甘味や苦みの複雑さが奥深しい当店のスパイスカレーソースは、上述のトマトソースに、10種類のスパイス+麻の実(麻の実もスパイスの一種です)を用いてつくります。

スパイス材料は以下のとおりです。
 ターメリック、コリアンダー、チリパウダー、カイエンヌペッパー、クミン、クローブ、マスタード、ナツメグ、カルダモン、ブラックペッパー、麻の実

「麻の実ピッツァ タンドーリチキン」


続いて、共通トッピング食材編 です。

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